漫画賞の新人賞を受賞した鈴ヶ森ちか、彼女は漫画家としての夢を追い求める女子大生だ。ある日、彼女の新作原稿が編集部から全て却下され、自信と希望が揺らぐ中で、心の奥底から湧き上がったのは旅への渇望だった。「どこかへ、ただ旅にでたい…」。そんな思いをSNSでシェアした彼女は、思わぬ反響を得る。友人たちやネット上の見ず知らずの人々が、彼女の旅先を選び、その結果、ちかは引くに引けない状態に陥ってしまう。 しかし、その旅への欲求は本物だった。覚悟を決めたちかは、アンケートの結果に基づいて、行き当たりばったりの旅を始める決意をする。時には一人で、時には友人たちと、彼女の旅は始まった。 予想外の出会いや経験が彼女を待ち受けている。それはまさに、「ざつ」だからこそ生まれる冒険だ。それがちかの"ざつ旅"、予期せぬ旅への出発点である。